I told you a lie

他愛もない日記や感想文

リアルなNY生活と食事事情がわかる「NY御馳走帖」

気づけば2024年も1ヶ月経とうとしている。早いですね。

悩みしかないですが、頑張って生きています。死ぬ元気がないとも言うが……。

 

寒くて元気ないと、うまくエンタメを消化できなくなる。

特にお笑いは難しくて、スコーンと逆ツボに入ると負のループから抜け出せなくなる。

なので普段の通勤時間は前日のお笑いラジオを聞いているのだが、最近はもっぱらカネコアヤノとラブリーサマーちゃんの曲を聞き続ける(この2人は私にとって絶妙に感傷的な気分になるので、鬱期にはぴったり)か、上出さんのPodcast番組を聞いている。

 

上出さんのPodcast番組は「NY御馳走帖というもので、彼がNYを中心に色々なところで食事をする様が録音されている。

www.tbsradio.jp

過度な演出や、誰かを蔑んだりすることも笑わせるようなこともなく、淡々とした語り口で、それが今の精神状態にはピッタリ。

また、私が海外旅行で最も楽しいのが「現地のレストランで食事する」ことなので、それを擬似的に体験できるところも良い。ただNYへ行きたくなりますが……。

個人的に、上出さんがチャイナタウンの中華料理屋によく行くのが、リアルなNYの生活臭がして好き。安くて美味しいよね……。

ラーメンの代わりにフォー食べるのもちょっとわかる。向こうのラーメンは大して美味しくない割に高くつくから、ああいう麺類を食べたいならフォーが一番近い、という。中華料理屋にはラーメン基本ないしね。

 

上出さんのことは、多くの人と同じように「ハイパーハードボイルドグルメリポート」で知った。

最初はセンセーショナルな「香港マフィアの食事風景」とやらが観たかったのだが、実際再生してみると、一番心に残ったのはゴミ処理場に住む若者たちや元少年兵の子どもたちだった。

生まれた場所やタイミングという、とてつもない運要素が人生にはあるのだな、と可視化された気分だった。私が今日本で何不自由なく生きているのは、私の努力というよりも、運。めちゃくちゃラッキーだっただけ。

でもこういう考え方(日本人の私は幸福で、彼らは不幸という二元論)をすることも傲慢なんだよね。彼らは彼らで毎日ちゃんと生きてて、よっぽど私より濃密で楽しい生活なのかも。

 

閑話休題。「ハイパーハードボイルドグルメリポート」における上出さんの編集は、めちゃくちゃ引き算だと思う。被撮影者の感情を勝手にテロップにすることもないし、その生活を憐れむ視点もない。淡々とご飯の様子を映す。

印象的だったのは、お金もないアフリカの若者が普通にご飯を残すところ。「ご飯を残してはいけない」っていうのは、ある種マナーというか、生産者がいて調理者がいて、彼らの仕事を無為にしてはいけないから、幼い頃から刷り込まれた考え方なのかもしれない。これは教育と呼ばれるもので、根底での「教育の大切さ」を感じた瞬間だったかも。

難しい数学の問いが解けるとか、経済構造を熟知してるとか、そういうことじゃなくて、もっと基礎的な「文化的な」生き方を教えるのが学校なんだろうな。私は自分の中学・高校の教員のことが大嫌いで、「お前らが人を育てられるわけねえだろ」と未だに思っている。私はあの頃知りたかった、世界のいろんなことを自力で会得しています。

 

さて、「NY御馳走帖」に戻ると、これは上出さんが近況を話しながらご飯を食べるだけなので、心動かされることがない。あ、嘘、お腹はめちゃくちゃ空く。

個人的に好きだったのは最新回の寿司屋。食材の使い方が日本とぜんぜん違うのが、海外の寿司って感じがする。バカみたいなのじゃなくて、妙に味の濃いソースとかが、リアルな海外の寿司だよね……。店員の女性の感じも良くて、NY行ったら行ってみたいな~。

open.spotify.com

関係ないですが、上出さんが英語の魚の名前をよくご存知でスゴ……となった。私は固有名詞を日本語でも英語でも覚えられなくて泣いたので。

 

 

こういうPodcast番組がいくつかあると良いな、と思うと同時に、本番組が長く続いて欲しいので、私には珍しく色んなところでオススメしている。

良い番組です。ぜひ。